上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

お正月に
kiri様が亨さんのssに雪成を出してくださいました♡
それだけでも嬉しいのに、なんとあのssの、雪成サイドまで、書いてくださったのです(>_<)!!
お正月の亨さんssのすぐ後にUPさせていただくつもりでいたのですが、
風邪をひいたり、イラストが仕上がらなかったりで、こんなにも時間が経ってしまいました…!

時間差もいい所なのですが、是非読んでいただきたく、UPいたします☆
雪成も性格も、めっちゃつかんでくださっていて、もう、本当すごい…♡

kiri様、ありがとうございました!!
亨さんのssはこちら→「鹿島亨の、ある一日」




*****************************************************************************************





「バーボン、ダブルで」

久しぶりに来たバーで、雪成はストレートの酒を頼む。

今日は、少し…酔いたい気分だ。

大学時代の、友人の結婚式。
…とは言っても、特別親しい友人という訳でもなかったから二次会へ顔を出しただけ。

昔々…二度程、戯れの交流があった相手。

卒業してから仕事で何度か顔合わせした関係で、二次会への顔出しを同じ仕事仲間と共に。

雪成は、手元のロックグラスを手で持ち上げて眺める。
祝いに贈ったバカラのロックグラスで、夫婦で酒を飲むのだろうか。

俺とのことを…想い出せばいいのに。
意地の悪いことを思いながら、雪成の口元が綻ぶ。

過去に何があろうと、素知らぬ振りして「友人」だと、紹介する男たち。
その度に、口元が綻びそうになるのを押しとどめて、こちらも澄まし顔。
女が自分の容姿に見入る瞬間に、特上の微笑みを見せつける。

ちょっとした、自分だけの愉悦。

人の幸せを妬むような趣味は、生憎持ち合わせてはいない。
俺は、ほんの少し意地が悪いだけ。

好きな相手と、堂々と結ばれることの出来る彼らに…心から、祝福を。

雪成は一人心でごちて、グラスに口をつける。
琥珀色の液体が、喉を通り…熱く、甘く、滑って行く。

隣に男が座って、ジンを頼みながらこっちをチラチラと見る。
ここは、そういう場所だと分かっていて来てる自分でも、一人で飲みたい時もある。

この店の雰囲気が好き。

上質な酒と、グラス一つにも気を遣ってるところも。
バーテンダーのスマートな立ち振る舞いも。

隣の男に首を振って、応えるつもりが無いことを示してると、ドアが開いた。

入ってきた男は、驚く程に美しい男。
美しい…というより、とても力強さを感じさせる男だ。
そのくせ品の良さを持ち、それがアンバランスな魅力へと繋がってる。

多分、初めてだと思えるのは、店内の配置を確認するように見回しているから。
初めての割に堂々としていて、ゆっくりとした足取りでカウンターに座る。

雪成の席から一つ空いた、その隣へ。
チラリと見て分かるのは、ブリオーニのスーツ。
五十万は下らないイタリアの一流ブランドスーツに身を包み、それがとてもフィットしている。
とても着慣れている様子からして、普段から着ているのだろう。

地位と教養が、その全てから溢れ出てるような男だ。


「よろしければ、奢りますよ」
その男と反対側のさっき隣に座った男が、声をかけてきた。

「結構です」
「一杯だけでも」
「隣にイイ男が来たので」

雪成が意地の悪い顔で言えば、男はチラリと新参者を見て、舌打ちをして席を離れた。

どう見たって太刀打出来ない程のオーラを持った男を前にして、退散した。

かといって、雪成も隣の男に自分から声をかけるつもりなど無い。

二人で一つ空いた席で、並んで静かに酒を楽しむ。

気分良く飲んでると、また声がかかる。

雪成はため息を吐いて、その男をジッと見た。
自分に魅入る男に、わざと妖艶に微笑んでみせる。

「一人で飲みたいから」
「…一杯だけでも、ご一緒に」
「また、今度ね」
「今度…っていつ?」
「…しつこいよ」

雪成が微笑みから一変して、冷たい目で見ると、男はボックス席の方へ戻って行った。
そういう気分じゃない時に向けられる色のついた目に、時々無性に腹が立つ。

…隣の男が、自分を見てる。
それも、さっきから何度も。

「なに?誘いたくても、誘えなくて見てるの?」
雪成がその男を見て、そう言った。

「誘う?」
目を丸めて言う男に、雪成は少しムッとする。

「とぼけないように。あなた、俺のことジッと見てる」
「あ…」

そう声を上げて、心当たりがあるように動揺を見せた。

「すまない…。気を悪くしたなら、謝る」
素直に謝ってくる様子は、本当に何か意図があった訳じゃないらしい。

「もしかして…」
「?」
「ここ、何も知らないで入ってきたの?」
「…え?会員制?」

男の答えに、雪成は思わず吹き出した。

メンバー制のバーだと勘違いまでする男の印象が、雪成の中で柔らかさに変化する。

知らない街で迷子になったのだと説明されて、入ってきた時の印象を思い出し…納得した。

面白い…。
この男と一杯なら、酒を飲んでみたい。

雪成は隣の空いた席に移動して、男の顔をジッと見る。

整った顔立ち。
日本人にしては、すこし濃いめの面立ちだが、甘ったるい訳でもない。
意思の強そうな目と、少し厚みのある唇も色気がある。
男臭い色気を満たしていて、黙っていても女が寄って来るタイプだ。

こういう男にハマると、危険だと思える程に。

向こうも自分をジッと見てる。
でも、それは…自分を通して何かを見てるような気もした。

切なそうな顔だ…。

この落ち着きは、きっと結婚してる。
俺の感は大抵は当たるんだ。

「あなたは、結婚してる」
そう呟けば、否定はしなかった。

結婚してる男でも、こういう場所で遊ぶ。
けど、この男はどうやら違うらしい。

知らない街で、一人で飲んでみたくなった…。
そんなところだろうか。

「一本…くれないか」

煙草に視線を落として、男が聞いて来る。

「やめたの?」
「あぁ…」
「子供が出来たから?」
「…そうだな」

きっと優しいパパだ。

雪成は微笑ましくて、箱のまま渡した。

「迷子さん。お名前は?」
「亨…」
「トオルさんね。俺は、雪成」



**




男が、空のグラスを見てもう一杯頼んだ。

「君も飲むなら」
「じゃ、俺も」

遠慮なんかしない。
イイ男に奢られる酒は、美味いに決まってる。

「たくさん振ってたみたいだけど。私の飲み相手してていいのか?」
「あなたは、俺を色目で見ないから」

そう、あなたは俺を色目で見ない。
その視線が、今日は心地良い。

「けど、切ない目で見てる」

少し興味を持った。
その切ない目に…。

男としての全てを手中に収めてるように見えるこの男に、こんな顔にさせる相手にも。

きっと…とても好きだった相手。

「だから興味もったんだ」
亨が煙草を吸ってもみ消して、酒に口をつけた。

「好きだったの?その相手」
「…あぁ…愛してた」
「振られた?」
「そうだな。頑張ったんだけど…ダメだったな」

こんな男を振る相手。
けど、頑張ったという言い方は、とても満足気に聞こえた。

「どれくらい、愛してた?」
「…地獄に堕ちてもいいと…思うくらいには」

そこまで愛せる相手と巡り合えた。
それは、とても…とても幸せなことだと思う。

結ばれるか結ばれないかは、結果だ。

「Tis better to have loved and lost than never to have loved at all. 」

雪成が、そう言葉にした。

「一度も愛したことがないよりは、愛して失った方が、どれほどましなことか…」

亨が頭で訳した言葉を、ボソリと呟く。

「アルフレッド・テニスン」
「確か…イギリスの作家」
「正確には詩人」

そう。愛せることは人として、何よりも幸せなことだ。

「ありがとう」

亨はニッコリと微笑んで、雪成を見た。

「こんなにイイ男、振っちゃうなんて」
「最初から結ばれない運命だったんだ」
「でも、足掻いてみた?」
「そう…足掻いて、足掻いて…傷つけた」
「たくさん?」
「あぁ…たくさん」

亨の中にある切なさの意味を、雪成は知ったような気がした。
愛を失ったからだけでない、幾重にも重なった複雑な愛は…今も残ってる。

「俺は…いつか、自分を許せるだろうか」

愛する人を傷つけたことを、許せない男。

『私』から『俺』に変わったことに、彼自身が気付いてない。

「許さなくてもいいんじゃないですか?」

俺は…許さなくてもいいと思うから。
誰にだって、葛藤はある。
自分の全てを受け入れるなんて、どれだけの人が出来てるのだろうか。

この人は、茨の道を歩いてきたのだろう。
血を流しながら、歩いてきたのだ。

雪成の中にある、葛藤が心の中から浮かび上がる。
俺にだって…ある。

なんだろう…。
柄にもなく、お節介な気分にさせられる。

「じゃ、もう一つ」

雪成が亨の手に自分の手を重ねて、亨を見つめる。

「何も後悔することがない、そんな人生は空虚でしかない」

その言葉に、亨が顔を上に上げるのを見て、雪成は微笑む。
心に響く言霊…を共有してるような気持ちになる。

「ゴッホの言葉」

激しい人生を生きた、偉大なる画家の言葉だ。

「許しても、許さなくても…それは時の流れに沿えばいいと思います」

自然に出た言葉。

人の過去に立ち入る趣味など持ち合わせてない自分が、なぜかこの男の哀愁に惹かれるのは…きっと波長が合ったからかもしれない。

「あなたが何をしたかは知らないけど。その人は、今も泣いてるの?」

雪成の言葉に、亨はハッキリと首を振った。

「幸せに…とても幸せになってる」

その表情は、とても優しかった。
その人の幸せを、心から願ってることが伝わって来る。

簡単なことじゃない。
こんな顔が出来るのは、簡単じゃ…ない。

何かを乗り越えることが出来た男は、酷く魅力的だ。

「じゃ、あなたも幸せだね」

雪成が亨の手をポンポンと叩いて、離した。

「君は…いないの?」
「愛する人?」
「そう」

…俺にも居る。
とても大切な人が。

「いるよ…弟たちが3人」



「四人兄弟か?」

亨が目を大きく見開く。

「そんなに驚くこと?」
「いいなぁ…俺は、兄弟が居ないから」
「小さな頃は煩かったけどね。今は、結構楽しくやってる」

楽しくて、凄く刺激的だよ。
そう思って、自然と笑みが浮かぶ。

「同居?」
「そう」
「長男だと、面倒みるのが大変だろ?」
「それは次男の役目」

サラリと、当然のことのように言う雪成に亨が小さく声を上げて笑った。

「君は…本当に、似てる」
「何が?」
「高飛車で、世話してもらって当然で…我儘で、甘えることも平気」
「ひどっ…」

雪成の言い方に、また亨が額を片手で覆ってくくっと笑う。

「…そんなに似てるんだ」
「雰囲気がね…凄く。だから、ジッと見てた」
「なんだ」

わざとガッカリとしたような言い方をすれば、亨が眉を上げて問う表情をする。

別にこの男とどうこうまでは考えてない。
極上と言える程イイ男だとは思うけど、こんな会話の後でなら尚更その気にななれない。

「俺は、身代わりは嫌だから」

冗談っぽく言って、空になったグラスを持ち上げる。

「好きなだけ飲んでくれ」
「ほんと…イイ男」
「言われる」
「俺も、言われる」

変なとこで競い合い、笑い合う。

雪成は、今日気まぐれにここに来て良かったと思える。

誰だって、何かを抱えて生きてるのだ。
茨の道を歩いて、傷を負っても、後悔を見せない男に出会えて…。
それを力に変えたかのような、強さを滲ませる男に。
その力を、少し貰えたような気がした。

ひと時の出会いに。

雪成は微笑み…グラスを持ち上げて男と乾杯をした。





<終>






***************************************************************************************



もう…っ、悶えますよねっ!!
亨さんサイドを読んだ時も、興奮して何度も何度も読み返してはニヤニヤしていました。
雪成サイドはもう、自分のキャラが何倍にも素敵に見えて…☆.。.:*・゜
はぁ、幸せです♡

このssの後日談漫画描きたい…っとか、夢は広がっておりますw
それをプロローグみたいにして今年は4兄弟の漫画も描きていきたいと無謀な夢も見ています☆
(逃げないように宣言しとこうw)


最後に二人のイラストを描いたので載せます。
物語中はカウンターになってますが、ソファーに座らせちゃいました( ̄ー ̄;
イメージ画像なのでその辺は是非スルーでw
カウンターに二人っていう構図が素敵におさまらなかったチロルの力不足の結晶w


まずは亨さんから。。あの頃よりも大人っぽく、髪の毛短くなりましたw
オールバック風とめっちゃ悩んだ…そっちの方が色気が出たかとちょっとだけ後悔中wうん、でも…まだ若いからっ!

小説亨さん3黒UPs


我が家の雪成さん

小説雪成黒UPs



kiri様、本当にありがとうございました♪

ココまで見てくださった皆様も、ありがとうございました!
追記にプチおまけありですw


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BLオリジナルイラストへ
にほんブログ村
↑ よろしければポチッとお願いします☆ 励みになります♪





[ 続きを読む ]
スポンサーサイト

ちょこっとぶりでございます。

年始のいろいろが済んだと思ったら、
気が抜けたのかインフルエンザにかかってしまいました(*´д`*)

インフルエンザは薬のおかげで1週間程度で完治したのですが
その後もなかなか体調が戻らず。。。。。

さらに体力が落ちたせいか、
病気の再発防止に服用している薬の副作用のが強く出てしまって
起きていられなかったり、目眩や頭痛に悩まされる日々が続いておりました。
本来は、あとひと月は飲まなくてはいけなかった薬なのですが、
先生にご相談したところ検査結果が良好だったのもあり、めでたく卒薬(w)することができました♥

薬をやめて一週間。体調も戻ってきてやっと近況報告ができました。
更新のない間も、ポチやコメント、メールなどいただきまして、ありがとうございました!

いろいろやりたい事はあるのに、身体が付いていかずもどかしい日々ですが
今後もマイペースにのろのろとやっていきたいと思っています。

また何かしらお見せできるようなものができましたらUPしたいと思っています。
よければどうぞ覗きにきてください☆

ではでは。


チロル**


本当の本当に近況だけの記事で、申し訳なさ過ぎますので…コメント欄閉じさせていただきました☆




最新記事

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。